初合宿(波崎)

提供者: 平成2年(1990)-昆野敦。 年度: 平成2年(1990)。 区分: 寄稿文

私が初めて大学テニス部の合宿に参加したのは、高校を間もなく卒業という3月の上旬でした。既に2月から大学の練習に参加していたので、合宿参加は自然な流れでした。当時の所属リーグは三部でした。リーグ戦は4月1日からでしたので、春合宿は二部昇格に向け、4年生の先輩方にとっては最後のリーグ戦を戦うための重要な合宿でありました。しかし、高校を卒業していない私達新1年生には、その重要性や緊張感は判っていませんでした。

合宿に参加した新1年生は、小島、白寄、田中、昆野の4名。全て立教高校(今の立教新座高校)テニス部出身です。最初はこの4名からスタートしました。この時、現在の山田監督の入部が決まっておらず、皆で気を揉んだ記憶があります。(最終的には私達の代は9名になりました)

この合宿で印象に残っていることは、「物に当たらない」、「三部の練習」、「風呂場での正座」です。「物に当たらない」とは、練習中等にミスをしたことに対し、感情的になりラケットを叩きつけたり、必要以上に大声(相手への威嚇)を出してはいけないということです。当時、合宿に来て下さったOBの方から指摘されました。そういったプレーを見られて、「これは三部の練習だ」と言われました。勝って昇格をしなければならないことは誰もが望んでいることですが、「勝つ」以前に「人として」、「スポーツマンとして」、「立教健児として」、確りとした「心」と「体」と「頭」がなければ、どんな技術も戦術も根性も上辺だけのものになり根付かない。リーグ戦を戦う前に厳しい現実を突き付けられた事が印象に残っています。

「風呂場での正座」は衝撃的でした。この合宿に夜9時くらいにわざわざ駆け付けて頂いたOBの方(Nさん)が全員を宿舎の風呂場に呼び出し、洗い場で正座を命ぜられました。みんなで使う風呂場の椅子と桶が散乱していたからです。一時が万事、当時の私達には未熟なことが多かったのだと思います。昨年の夏合宿でNさんと一緒に風呂に入りましたが、まず、椅子と桶の状態に目がいき、ドキドキしました。何年経っても覚えているものです。

最後となりましたが、セントポールテニスクラブ100周年、誠におめでとうございます。次の100年に向けて、微力ですが歴史を紡いでいけるようにしたいと思います。

現役の皆さん並びにOB、OG、諸先輩の皆さまにおかれましても、今後、益々のご発展、ご健勝をお祈り致します。