「立教大学体育会テニス部創部100周年史」発行にあたって

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会長

白石典義

 

立教大学体育会テニス部の創部100周年、そして100周年史の発行、まことにおめでとうございます。立教大学体育会を代表して心よりお祝い申し上げます。

立教学院がウィリアムズ主教によって創立されて142年、専門学校令による立教大学(旧制)への昇格から109年の長い歴史の中で、100周年を迎える立教大学体育会の部としてテニス部は、野球部、柔道部に次いで3番目となります。この長い年月、まさに立教大学とともに歩み、数々の輝かしい栄光を獲得してこられた体育会テニス部に対して、心より敬意を表します。

この100年間、立教大学テニス部は関東学生テニスリーグ戦(現行、1934年発足)、その前身である関東大学対抗リーグ戦(1921年発足)のチャータードメンバーとしてわが国における大学テニスの発展に寄与してきました。特に1960年から1979年の約20年間は、全日本学生選手権シングルス優勝、全日本学生テニス選手権シングルス準優勝、ダブルス準優勝、ユニバーシアード日本代表の学生をはじめ、卒業生ではデビスカップ日本代表、また全豪、全仏、全英の世界3大オープン出場者を輩出するという輝かしい成果をあげました。しかし1980年代以降は、大学の大衆化時代を迎え、立教大学ではスポーツ推薦入試制度の廃止をはじめとする社会における大学スポーツの在り方が変化するなかで、部員不足などによる低迷の時期を受け入れざるを得ませんでした。このような苦難の時期を経て、体育会テニス部は10年ほど前から新たな飛躍に向けての挑戦のステージに入ったと私は確信しています。

私は2007年に体育会長に就任して本年で10年目になりますが、この間にテニス部の活動が毎年一歩ずつ前進していく様子を見て頼もしい気持ちで一杯です。指導者、OB・OG会の皆様とはテニス部の活性化について常に意見交換してきました。施設面では、富士見コートの砂入り人工芝化、新座キャンパスコートのデコカラー化が実現するとともに、アスリート選抜入試制度によって卓越した能力を持つアスリート学生が毎年テニス部に入部しています。100周年を迎えた今年の関東大学テニスリーグ戦では、男子が2部に昇格、女子は2部優勝を果たしました。また、全日本学生テニス選手権では女子ダブルスでベスト4に輝きました。まことに心強く、嬉しい限りです。

テニス部の活動方針は、「規律・団結・競争」の価値を学ぶこと、多様性の価値を学ぶことと伺っています。個の力を高め、その上に組織として集結し、さらに強い力を発揮して試合に勝利することを目標とする。同時に、テニスをはじめとしたその他の様々なサービスラーニングを実践し、単に戦績の向上に留まらず、多様な価値観や環境に触れることによって多様性を学ぶとともに人間性を深めることを目標とする。テニス部が掲げるこのような活動方針は、まさに立教大学体育会、ひいては大学スポーツ全体の在り方の方向性を示しているものと思います。

テニス部が立教大学体育会を代表する伝統ある部の一つとして、今後ますますご発展されんことを心より祈念しております。テニス部の創部100周年、まことにおめでとうございます。